命なりわづかの笠の下涼み
これは、松尾芭蕉が延宝四年の夏に「佐夜山中にて」つくった句とされています。巡礼をしていての発句ではないものの、西行法師の歌がもとになっており、巡礼のこころをよくあらわした一句ではないでしょうか。
当山圓藏院が主催する、10月4日、5日、6日の三日間にわたる「第二回 坂東三十三ヶ所巡拝の旅」が無事に、終了しました。
坂東三十三ヶ所巡拝は、埼玉、栃木、茨城、群馬、千葉、神奈川、東京の一都六県にわたる巡礼です。全行程は約1,300キロともいわれています。当山圓藏院では、この行程を三回にわけ、圓藏院住職を導師として巡拝いたします。
まだすこし暑い早朝に圓藏院をバスで出発。第一回につづく、圓藏院檀家の九名の方が参加されました。第二回の巡礼は、十二番札所さいたま市慈恩寺からはじまり、埼玉、栃木、茨城の十一ヶ寺を巡拝します。
巡拝の行程は、以下の通りです。
10月4日 慈恩寺(さいたま市、一二番)、満願寺(栃木市、一七番)、大谷寺(宇都宮市、十九番)、中禅寺(中禅寺湖畔、十八番)、栃木県鬼怒川温泉宿泊
10月5日 西明寺(益子町、二〇番)、佐竹寺(常陸太田市、二二番)、日輪寺(大子町、二一番)、茨城県袋田温泉宿泊
10月6日 観世音寺(笠間市、二三番)、楽法寺(桜川市、二四番)、大御堂(つくば市、二五番)、清滝寺(土浦市、二六番)、圓藏院帰着
歴史あるそれぞれのお寺では、圓藏院住職の先導で共にお経を唱え、御詠歌を奉詠しながら、慈しみの笑みをたたえる観音さまたちと出逢い、美しい山々と中禅寺湖、温泉に癒されるーー長い長い距離をゆく巡礼の旅であるがゆえに、参加者の方々の感動もひとしおだったようです。
次回の第三回、結願となる最後の巡拝の旅は、来年平成三〇年の春に開催される予定です。坂東は巡礼入門にも適していますので、どうぞ、ふるってご参加ください。