花の寺 圓藏院

2023.09.09 住職のちいさな法話(六)ヨガのすすめ

近年、スポーツジムなどで盛んに行われているヨガ。それは古来インドの瞑想・修行法で、故に仏教とも深いかかわりがあります。ヨガ(yoga)の語源は諸説あるものの、古代サンスクリット語でユジュ(yuju)「つなぐ」に由来するといわれています。チャクラを通じ、人間と宇宙(自然)、精神と肉体、家族、人と人、祖霊と自己の「つながり」を体感しつつ、社会生活で不安定になった肉体と心を柔軟体操と呼吸法で整える医学体操です。

江戸時代にはすでに「瑜伽(ヨガ)行者」がいたと記されています。インドや東南アジアでは、ヨガは日常的に盛んです。私もタイで初めてヨガを習いました。タイ寺院には洞窟のような修行場(仏窟といいます)があり、その暗がりで黄金の大仏をまえに半日の瞑想行をします。長い長い瞑想の始まりと終わりに心身を整え、修行の準備をするために毎日のヨガは欠かせないのです。円蔵院では毎月第一・第三火曜日の午前十時から「てらヨガ」(子づれ歓迎)を開催しています。講師はプロのヨガインストラクターYumi先生。半ばボランティアで、毎月、円蔵院に教えにきてくださいます。

ユミさんがヨガと出会ったのは、三人のお子さんの育児で悩んでいたとき。「ヨガと出会い、インストラクター資格を目指すことで、悩みや苦しみから抜け出せたと思います。さいたま市は人口が急増していますが、他都県から移住されて『孤育て』に悩む若いママさんたちも増えています。私もそうでした。ヨガとお寺を交流の扉に、ママや働く女性を応援したいです」とユミ先生。

若きユミ先生の熱い思いは、これからも新たな「つながり」を紡いでゆくことでしょう。