花の寺 圓藏院

2025.03.02 芝川小学校のお寺見学「すてき発見」

 去る一月二十一日に、今年も恒例の芝川小学校三年生による「地域のすてき発見」が、円蔵院で開催されました。当日は朝九時から、百名の児童が境内に元気いっぱいの「お早うございます!」を響かせてくれました。

 講師は住職が務めました。合掌の意味を説くと、児童たちは巫山戯たりはせずに、神妙に合掌してくれます。冬鳥の歌や大銀杏をわたりすぎる風の音、「冬のお寺の音」を聴きながら、禅定(座禅)も体験しました。

 児童たちは、お寺が昔ながらの心と文化を大切に守っていることに興味があるようでした。円蔵院本尊の阿弥陀如来様や仏様たちが安土桃山の頃にご安置され、毎朝夕のようにお会いする山門前のお地蔵様が江戸時代に建立されたことを話すと、驚きつつ一心にメモをとっていました。

 お庭に遊びにでた児童たちが、樹木の生きた化石と呼ばれる大銀杏の幹にふれながら「恐竜のウロコみたい」とはしゃぎます。早咲の紅梅や紅椿の花が、枯木の中に紅一点、静かに咲いていました。ひとりの女の子が、その風情に感じ入ったようで、「ここは心が落ち着く。ずっといたい」と瞑目して微笑んでいました。

 住職は「冬の寒い時季に、お寺で社会科見学なんて、子どもたちは嫌じゃないかしら」と内心気を揉んでいたのですが、杞憂のようでした。

 その日の放課後、芝小の男子児童三人が円蔵院に来ました。早速、遊びに来たのかな?と思ったら、「今日のお礼が言いたくて」と合掌して挨拶してくれます。今年の児童はとても礼儀正しいな、と感心していると、翌日、翌々日と、児童たちがお礼を言いに来てくれました。ある女子児童グループは「ほんの気持ち」と書かれた手焼きのお煎餅を持参してくれました。食べるのがもったいなくて、お煎餅は仏様にお供えしてあります。

 円蔵院も沢山の「すてき」を芝川小学校児童、先生、保護者の皆様から頂戴しました。